
製造業の受発注業務効率化|AI導入で月80時間以上の時短実現
目次
製造業の受発注業務効率化|AI導入で月80時間以上の時短実現
課題事例

こんにちは、株式会社feer広報部です!
今回は製造業の中小企業様でよく見られる受発注業務の煩雑化について、AI活用での解決事例をご紹介いたします。
📋 今回の企業様の事例
自動車産業を支える株式会社SUBARU様(製造業・従業員17,228名 ※2023年3月31日現在)では、どんな課題があったのでしょうか?
同社のような大手企業でも、部門間の情報連携には多くの課題がありました。特に、後工程の部門が必要な図面情報を設計部門に問い合わせても、多忙のため返答に1〜2週間かかることがあり、業務の停滞を招いていました。 このような課題は、多くの中小製造業様ではさらに深刻です。FAXやメールで毎日数十件送られてくる、取引先ごとにフォーマットがバラバラな注文書。その内容を基幹システムへ手入力する作業は、特定の担当者に業務が集中する「属人化」を生み出します。担当者が休むと受注処理が滞ってしまい、入力ミスが発生すれば手戻りでさらに時間がかかってしまうのです。月末には請求書処理も重なり、担当部署は残業が常態化していました。
💥 課題の影響:ある企業では、手入力による受注処理に月間100時間かかっており、コア業務を圧迫していました。
📚 参考資料:この課題についての詳細は以下をご参照ください
AI改善提案
そこで!feerがおすすめするAI活用ソリューションをご提案いたします!
こちらの企業様のような課題は、AIと自動化の組み合わせで驚くほど改善できるんです。
1 使用するAI技術・ツール
今回の解決策では、以下のようなツールを組み合わせて使用します。
どれも実績のある信頼できるツールばかりです!
- • Google Cloud Vision API (AI-OCR):画像やPDFから文字を高精度で読み取り、テキストデータに変換します。
- • n8nワークフロー:様々なサービスを繋ぎ、一連の業務プロセスを自動化する要のツールです。
- • Google Sheets:抽出したデータの一時的な保管や確認、簡単なマスターデータ管理に使用します。
2 n8nワークフローによる自動化アプローチ
ここが今回のメインとなる自動化の仕組みです!
n8nを使うことで、プログラミングの知識が少なくても、まるでブロックを組み合わせるように業務フローを自動化できます。 今回は、FAXやメールで受信した注文書PDFをAI-OCRで読み取り、その内容をGoogle Sheetsに自動で記録する流れを構築します。
- トリガー設定:特定のメールアドレスに注文書の添付ファイル付きメールが届く、または指定されたフォルダにファイルが保存されると、ワークフローが自動で開始します。
- AI-OCR処理:n8nが添付されたPDFファイルをGoogle Cloud Vision APIに送ります。AI-OCRが画像から文字情報を抽出し、品番・数量・納期などの項目をデータ化します。
- データ整形:抽出されたデータは、そのままではシステムに入力しにくい場合があります。n8nの機能で必要な形式に整えます。
- スプレッドシートへ記録:整形された注文データが、Google Sheetsの新しい行として自動的に追加されます。
- 担当者へ通知(オプション):Slackなどのチャットツールと連携し、「新規注文を処理しました」と担当者へ自動で通知することも可能です。
3 実装手順
まず、どのような種類の注文書が、どのくらいの量届くのかを把握します。フォーマットの種類を洗い出し、AI-OCRで読み取るべき項目(品番、数量、納期など)を明確に定義します。
Google Cloud Vision APIとn8nのアカウントを設定します。特にAI-OCRは読み取りたい帳票の種類(手書き文字が多いか、定型か非定型か)によって最適なツールを選ぶことが重要です。
まずは一部の取引先の注文書だけで試験的に導入します。AI-OCRの読み取り精度を確認し、特定の文字を誤認識する癖があれば、補正するルールをn8nのワークフローに追加するなど調整をおこないます。
読み取り精度が安定したら、対象の取引先を広げて本格運用を開始します。処理時間の短縮率や、手入力によるエラー率の削減率などをKPI(重要業績評価指標)として設定し、導入効果を定量的に測定します。
運用しながら、さらに改善できる点を探します。例えば、Google Sheetsへの記録だけでなく、RPAと連携して基幹システムへ直接データ入力する、といった発展も可能です。
期待できる定量的効果
効果項目 | 改善効果 |
---|---|
作業時間短縮 | 最大93%削減(月100時間→月7時間) |
コスト削減 | 年間約200万円(人件費換算) |
生産性向上 | 従業員一人あたり週4.75時間分のコア業務時間を創出 |
エラー率削減 | 手入力によるミスをほぼゼロに |
導入期間・コスト概算
項目 | 期間・費用 |
---|---|
導入期間 | 1ヶ月~3ヶ月(PoC含む) |
初期費用 | 10万円~30万円 |
月額運用費 | 3万円~10万円(ツールの利用料による) |
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介した事例のように、適切なAI活用で業務効率は大幅に改善できます。
次のステップ:まずは、現在の受発注業務で「誰が」「何に」「どれくらい」時間を使っているかを見える化することから始めてみませんか。手書きの業務日報からでも構いません。現状を把握することが、最適な自動化への第一歩です。feerは、その最初の壁打ちからお客様と並走し、一緒に最適な解決策を見つけ出すお手伝いをいたします。ぜひお気軽にご相談ください。
参考資料・関連リンク
- n8n公式サイト - ワークフロー自動化ツールの公式サイトです。
- Google Cloud Vision API ドキュメント - AI-OCR機能の詳細な技術資料です。
- 株式会社SUBARU様 事例(CADDi) - SUBARU様のDX推進に関する別の事例です。
- AWS 導入事例: 株式会社SUBARU - クラウド活用に関するSUBARU様の事例紹介です。
- AI-OCRを活用した業務改善事例(受注業務) - 中小企業における具体的な受注業務の改善事例です。
注意:GoogleサーチリダイレクトURL(vertexaisearch.cloud.google.com等)は使用禁止。必ずオリジナルの直接URLを記載
参考資料・関連リンク
- https://4rjhptarqbdtr1jy.public.blob.vercel-storage.com/challenge-scenes/challenge-scene-1757541665322.png"
- https://www.fujitsu.com/jp/solutions/industry/manufacturing/monozukuri-total-support/products/plm-software/vps/case-studies/subaru/index.html"
- https://n8n.io/"
- https://cloud.google.com/vision/docs"
- https://caddi.com/jp/resource/subaru/"
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